2022年5月24日
株式会社ICMG Partners
ICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合
株式会社ICMG Partners(本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役:舩橋元)が運用するICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合は、iPS細胞を活用し、アンメット・メディカル・ニーズの解決に挑戦する株式会社ケイファーマ(本社:東京都港区六本木、代表取締役:福島弘明、以下「ケイファーマ」)へ出資を実行したことをお知らせいたします。今ラウンドでは、DCIパートナーズ株式会社、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、鹿児島ディベロップメント株式会社、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブと共に総額 約15.5億円の出資を実行しております。ケイファーマは、慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業として、iPS細胞を活用した脊髄損傷等の再生医療や、疾患特異的iPS細胞を活用した創薬事業を通じて、医療分野での社会貢献を果たしています。
Kenneth Researchの調査によると、世界の再生医療市場は、2022年時点で45億USDの規模となっており、2030年末までに105億USDへCAGR 13%で拡大すると予測されています。加えて、経済産業省 生物化学産業課のレポートによると、既に国内では950億円の市場規模を有しており、2050年には2.5兆円まで拡大すると見込まれます。市場環境において、グローバル・国内共に将来が期待されている領域となっています。
また、近年、未だ有効な治療方法がない疾患に対する医療のニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)を充足する動きが出てきています。特に、「ALS/筋萎縮性側索硬化症」は、抽出された60の疾患の中でも治療満足度や薬剤貢献度が低く、それぞれ14.3%、15.6%となっており、有効な治療薬の発見が求められていました。(2020年11月の医薬産業政策研究所の記事より)
そうした市場環境において、ケイファーマは、再生医療の中でも中枢神経系領域を注力分野としており、脊髄損傷や脳梗塞など有効な治療法が未だ確立していない疾患に対して、iPS細胞由来の神経前駆細胞の移植の試みをはじめとした研究活動を行っています。また、再生医療だけではなく、疾患特異的iPS細胞を活用した希少疾患の病態メカニズムの解明や、治療薬のスクリーニングも行っており、このiPS創薬事業を通じて、ALSをはじめとした神経難病患者に向けた、有効的な医薬品の発見・開発を進めています。ケイファーマは、創業科学者であり非常勤取締役である岡野栄之、中村雅也両教授が所属する慶應義塾大学医学部と連携し、業界のトップランナーとして事業を推進しています。
本投資の意義は、“不治の病”と言われた脊髄損傷の治療可能性を高める活動を支援すると共に、それにとどまらず、アンメット・メディカル・ニーズを充足する活動を促進させることにあります。特に、慶應義塾大学医学部及びケイファーマは、疾患特異的iPS細胞を活用した創薬事業では、パーキンソン病の薬であるロピニロール塩酸塩が筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態に有効であることを見出しており、そうした難病疾患に対して有効な治療薬を発見・開発することで、難病患者へ従来以上の福祉と健康を提供し、より全体的なWell-beingの達成へと一歩近づくことができます。また、慶應義塾大学病院では、脊髄損傷の再生医療において、2021年12月に脊髄損傷患者へのiPS細胞由来の神経幹/前駆細胞の移植を、世界で初めて行っており、神経中枢領域の再生医療におけるフロントランナーであると考えております。
ICMG共創ファンドとして、殿町国際戦略拠点キングスカイフロントを中心とした、羽田エリアのバイオメディカルエコシステムへの接続や、日本大企業とのネットワークを活用して、ケイファーマの研究開発活動やその後の上市活動を支援していくことで、Well-being達成に向けた再生医療のエコシステム構築に貢献できるよう支援を行っていく予定でございます。
【ケイファーマについて】
ケイファーマは、慶應義塾大学医学部生理学教室岡野栄之教授と同整形外科学教室中村雅也教授の研究グループで長年にわたり取り組んできた脊髄損傷等の再生医療研究、及び疾患特異的iPS細胞技術を用いた創薬研究(iPS創薬)の成果をいち早く医療現場に届けることを目指しております。そのため、iPS細胞を活用した脊髄損傷や脳梗塞を対象とする再生医療事業と筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含むiPS創薬事業の両事業を展開し、アンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)の解決を実現し、医療分野での社会貢献を果たしてまいります。
URL: https://kpharma.co.jp/
【ICMGグループについて】
ICMGグループは創業以来、日本だけでなくシンガポールやシリコンバレーをベースに日本大企業やスタートアップ、官公庁とプロジェクトを行ってきました。直近では、東京電力及び中部電力と共同で、東南アジアにおける再生可能エネルギーの投資を実行、国連UNDPとのSDGsイノベーション分野における戦略提携、愛知県のスマートサステナブルシティプロジェクト等、国内だけでなく海外でもプロジェクトを推進しております。今回のICMG共創ファンドでは、社会課題を解決するベンチャー企業に迅速に成長資金とICMGの有する日本大企業のパートナーネットワークを提供することで、持続可能な未来の創造を目指しております。
【ICMG共創ファンドについて】
羽田空港旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデング及びグループ会社の羽田未来総合研究所(日本空港ビルデングよりLP出資)と「金融にも強い総合サービス業」を目指すきらぼし銀行等を有限責任組合員に迎え、2021年5月にスタートしたベンチャーキャピタルファンドです。インダストリーの垣根を越えて社会課題を解決するスタートアップと日本大企業の共創を後押しし、未来に繋がるエコシステムを構築することを目的としております。スタートアップへスピーディーな成長資金を提供するだけでなく、ICMGグループが持つ日本大企業ネットワークを提供することでグロース支援を行います。
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本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
株式会社ICMG Partners
グループ広報室
電話番号:03-6812-2548