クラシエ 次世代リーダー×Future Center Academy インタビュー

2021.12.13

クラシエ 次世代リーダー×Future Center Academy インタビュー

−「社長自らが望む改革戦略を描けた」−

2021年10月から第二期が始まったFuture Center Academy(以下、FCA)は、参加者が「実際の経営課題」をテーマに、ビジネス経験豊富なプレミアムコーチによるコーチングの他、他の参加者や起業家とのワークショップ、合宿、アカデミープログラムを通して、求められる成果を出すまで伴走するプログラムです。
今回は、第一期(2021年4月〜10月)にご参加頂いた、クラシエホールディングス株式会社CRAZY創造部長の七森さんへのインタビューを通して、FCAに集う次世代リーダーやプログラムについてご紹介していきたいと思います。

 

―まず始めに、七森さんがFuture Center Academyに参加することになった経緯を教えてください。―

クラシエは2017年に、「CRAZY KRACIE」というビジョンを打ち出しました。未来を予測しにくいこれからの時代に対応していくため、社員一人一人が固定観念を捨て“CRAZY”になることで、多くの未知との遭遇や発想を生み出し、新しい価値を創造し続けるというビジョンです。

これまで弊社は、ビジョンとは対となる「実直に目の前の事に取り組むこと」を得意としてきたこともあり、今回のビジョン推進は大きな改革となると改めて捉え、更なる加速が必要と感じていました。今回はその課題解決のため、社長から推薦されたFCAの参加を通じて「CRAZY KRACIE」を社内に浸透させるというミッションに取り組む事になりました。

 

―次に、七森さんご自身についてもお伺いしたいと思います。七森さんは、どのような経緯でCRAZY創造部長に任命されたのでしょうか。―

以前に「社内で一番CRAZY」だと思う社員に投票するというイベントがあって、そこで私に一番多く票が集まったことがきっかけで、社長から是非CRAZY創造部にと声を掛けられました。

私は前任や、競合他社がやっていないような新しい事に常に挑戦したいタイプで、期待を超えた結果を出して周りを驚かせる事が好きです。学生の頃は野球部のリリーフピッチャーだったのですが、会場を沸かすゲームに持っていくのが好きだったので、そういった場面では「七森劇場」と呼ばれていました(笑)。

CRAZY創造部長への指名も、前例に囚われずにチャレンジして、外部とシナジー効果を生み出していけるというところを評価されたのだと思います。

 

 

―続いて、今回参加されたプログラム内容についてお聞きしたいと思います。目玉プログラムの一つとして「プレミアムコーチ陣による個人コーチング」をご提供させていただきました。ペアとなった九州大学ビジネススクール小城武彦教授とのセッション・対話を通じての発見や感想をお聞かせください。―

小城さんは、カネボウの社長でいらっしゃった当時、トイレタリー・コスメ、薬品、食品事業を通じて、お客様のライフタイムバリューを支える今のクラシエの体制に価値を置いて事業再生に取り組まれました。その様な経緯をお持ちの方にコーチングしてもらい、スペシャルな体験ができました。

対話の中で印象的だったのは、私自身の表情や言葉、声の張り方等からも、リーダーとしてどんな覚悟で取り組んでいるのか、小城さんに見抜かれてしまった事です。改めて、自分自身がリードして周囲を巻き込んで行くということを指導して頂きました。

また、小城さんの課題を掘り下げて問題を突き止めていくアプローチによって、真因が明確になり、よりリアルな課題抽出ができました。

コーチングのアプローチについては、初めから目指すものが決まっているのではなく、あくまで私自身を主体に対話をして、動機や目的を明らかにしていしていくというのが、他の研修とは違うと感じました。そうやって気づいたことは、誰かからやらされているのではなく、本当に自分でやりたいことなので、説得力が出るんです。自分発信の改革というか。このやり方を考えた人ってすごいなって思いました(笑)。

あとすごく心に残っていることがあって、小城さんはどうしても私の予定が合わない時には、休日など予定外の時間にも快くコーチングや相談にのって下さいました。小城さんがここまでのモチベーションで私と向き合ってくださったことに、とても感動しました。

 

―ワークショップでは、他社からも次世代経営者人材の方々が集まってプレゼンテーションや相互フィードバックを行う場がありますが、社外の方との対話を通しての発見や感想などはありますか?―

最初に感じたのは、全く違う業界の方が参加しているという印象でした。私がこれまで参加した研修は同じような業種の方々が集まっているものが多かったので、特色が違うなと。

私は積極的にオンラインミーティングや飲み会を申し込んでいくタイプなので、どんどんアプローチをして色々な方とお話する事ができました。業界が違うからこそ、様々な情報交換ができたり、今後一緒にイノベーションを起こしていく為のアクションがしやすいかと思います。実際に、クラシエが抱えている課題を以前に経験された方も結構多くいて、アドバイスを貰えたりもしました。

逆に同じような売上の規模や、私のように組織風土改革を担っている方とは、良きライバルとしてお互いの5年後の状況を語って刺激をし合えるパートナーになることもできました。

 

「友」 FCA開会式で参画に向けての覚悟を書道で表現する七森さん

―FCAの中でご苦労されたことがあれば教えてください。―

会社の業務を推進する一方で、FCAのために時間を捻出することです。小城さんのコーチングでは、毎週のミーティング前後にコーチングシートで進捗を報告する事になっていて、いい加減な物は出せないと思って時間を掛けて取り組みました。毎週進捗を求められていましたので、プロジェクト進行の時間がかなり短縮されたため、結果的には良かったと思います。

 

―FCAへの参加前後で感じられたご自身についての変化はありますか?―

一番は、「改革のど真ん中に突っ込んで、絶対にやり切る」という覚悟ができたことですね。

あとは、プログラムの最後の方で自分のライフチャートを棚卸しするワークがあって、そこで、自分は昔から人の期待を大きく超える事を原動力としている事が明確になったんです。それを機に、リーダーとして「社員やパートナーさんの期待を大きく超える変革をして、満足させたい」という確かな価値軸が出来ました。

反対に、自分に足りていない部分が明確になったので、読書や、ICMGのFCアカデミープログラム*に積極的に参加して補うようにしています。

 

*FCアカデミープログラム・・・知的資本経営のフレームワークで体系化された、実際に成果を出せるリーダーに必要なスキルを身につける為のプログラム

 

―後半には、デザインした戦略の実証や、自社ステークホルダーの方々へ成果を発表するというフェーズがありましたが、皆様からはどのようなフィードバックがありましたか?―

プロジェクトの目的や内容を、説得力をもって伝えられるようになったことと同時に、私の言葉の重みも変わり、自分の軸をもって突き進める推進力がついた、と評価をしてもらいました。FCAを通して自身がやりたい事を散々考え抜いて来たことが寄与したと思います。

また、FCA参加を通じて社長と同じ目線を持てるようになった事で、いつの間にか提案したプロジェクトが社長自らやりたいものになっていて。この変化は私の中でとても大きくて、自身のモチベーションもものすごく上がりましたね。

 

―七森さんのステークホルダーへの発表によってプロジェクト発足に結びついたものがあれば、可能な範囲でご共有いただけますか。―

なんとFCAをきっかけに、今月から「次世代リーダーによるCRAZY KRACIEを起点とした経営改革」という大きなプロジェクトに取り組むことが決まりました。これまで行ってきたボトムアップだけでは描けない、組織基盤や経営基盤にまで及ぶような変革が必要と捉えてのことです。

例えば、クラシエには、トイレタリー・コスメ、薬品、食品分野の3つの事業領域があり、これは強みでもあるのですが、部分最適によってビジョンが浸透しにくいという課題もあります。各事業会社の次世代リーダーと、働く上での価値軸やプロジェクトに向けての覚悟についての対話を始めたりと、3事業一体での改革に向けて動き出したところです。

とても嬉しいご報告、ありがとうございます!

―最後に、Future Center Academyに参加を検討されている方へのメッセージをお願いします。―
経営者に必要な覚悟や、働く上での価値軸を定めるというのは、なかなか社内や個人では出来ないことなので、次世代経営層の方には、必ず受けてもらいたいプログラムです。
既に経営層の方にとっては、経営・改革の中核となる人材に参加してもらい、自分と同じ目線や推進力を持って課題に取り組んでもらう事で、実行力を高める事が出来ると思います。

七森さん、改めまして、インタビューにご協力頂きありがとうございました!


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